2012年10月11日
石田です。
OCAでは、1年間を2学期制で授業が行なわれています。4月から9月までが前期授業、10月からが後期授業になります。
9月の末に前期授業の期末試験が行なわれました。
今日は、受験した学生しか知ることができない期末試験について紹介します。
私が受け持っています「海洋哺乳類学 I」の試験問題を公開致します。問題は下記の通りです。
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【問題1】海洋哺乳動物には、どのような動物グループが含まれているのか? その分類されている各動物グループについて説明しなさい。
【問題2】アシカ科、アザラシ科、セイウチ科の各動物の形態学的特徴および陸上での歩行や遊泳などの行動様式の違いを説明しなさい。
【問題3】鯨類の骨格は構造は、他の動物には見られない水中生活に適応した独特な形態的特徴がある。その特徴を4つ説明しなさい。
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以上の3問で試験を行いました。問題1と問題2が各30点、問題3が40点の配点でした。
高校のときの試験問題とは、かなり違うと思われたのではないでしょうか?
正しい解答を選びなさいとか、穴埋め式の問題などは無くて、すべての問題の解答は、記述する形式です。
もちろん先生によって、方式は異なりますが、このような記述式の問題がよく出題されます。
高校のときの試験と異なる理由は、高校のときは、その授業科目の知識をどのくらい習得したかを調べる試験であるのに対して、専門学校では、動物園・水族館やペットショップなどに就職を目指していますので、この業界の仕事は、お客さんに動物の説明や商品の紹介することが重要です。
すなわち、知識として知っていても、お客さんにうまく説明できないと困ります。それゆえ、期末試験でも、知識を問うのではなく、うまく説明できるかどうかを問います。
例えば、上記の問題2の解答を例としますと、下記のような解答が書かれていたとしても評価点は低いです。
これは、知識としては正解ですが、説明になっていないからダメです。水族館に来たお客さんにアシカとアザラシの違いを質問されたとき、この答を見せても、お客さんは意味がわからないです。耳介(じかい)とは何? 鉤爪(かぎづめ)とは何?と、わからないことばかりですよね。
答案の採点基準は、動物のことをよく知らない人が、その答案を見て意味がわかるかどうかで採点しています。
このようにお客さんに、わかりやすく説明することが大事ですので、期末試験だけでなく、授業の中でも、動物のことを解説する練習も行なっています。
いかがでしょうか? 1年生の最初の試験のときは、高校の試験と異なることに戸惑うかもしれませんが、練習することによって慣れますので安心してください。ちなみに、今回の期末試験でも説明する練習を行なうことによって、皆、大変うまく答案での説明をしてくれました。平均点は、88.9点でした。皆頑張ってくれました。
最後に、アシカの耳介て何?と気になる方のために、下に写真を載せましたので参照してください。