2013年7月25日
石田です。
毎年、水族館・アクアリスト専攻の授業にて、六甲山水系の住吉川の調査実習を行っています。今年も7月13日に実施しました。
住吉川は神戸市の東灘区にあり、神戸市街地のすぐ近くにあるにもかかわらず、住吉川上流では、「六甲のおいしい水」の原料になるぐらいのとてもきれいな清流です。
上記地図の上部中央にある印のところまで徒歩で川を遡って行きます。
下の写真のようにとてもきれいなところで、学生たちも調査そっちのけで楽しんでいるようです。
生物採集のとき、初めは服が濡れるのを気にしていましたが、途中からは川の中に完全に浸かりながら水生昆虫や魚類など採集して調べていました。
水生昆虫や魚などが多く生息しているこのようなきれいな清流ですが、調査を続けているうちに、ここにはいてはいけない生物を見つけてしまいました。
それは、下の写真の生物です。この生物は、ミシシッピーアカミミガメとういアメリカ原産の外来生物のカメです。
このカメは、本来、日本にはいなかったカメですが、このカメの稚ガメがミドリガメという名前でペットとして日本に持ち込まれ、大量に販売され、それが、飼育されていたカメが逃げたり、いらなくなって捨てたりして、あっという間に、野生化したものが棲みついたのです。
この住吉川まで、ミシシッピーアカミミガメが入り込んでいたとはびっくりです。カメ以外にもアマゾンチトメグサという、名前の通りの、南米のアマゾン川の水草も住吉川で繁殖しています。この水草も熱帯魚店で観賞用に販売されていたものです。
学生達に身をもって外来生物の実態を知ってもらう実習になりました。