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2012年11月2日

色のしくみ~動物や昆虫たちの世界~

石田です。

Photo熱帯魚には、写真のように鮮やかな体色をもつ種類が多くいます。今日は、この体色のしくみの話です。

イヌやネコの体色は、いつも同じですが、魚の体色は変化します。この差異に、魚の体色がきれいな色を発色する秘密があります。

Photo_5

この写真は、ネオンテトラという魚の昼間の姿(上部)と夜の姿(下部)です。夜の姿は、体色が薄くなっていることがわかります。すなわち、体色を発色するしくみも夜は休んでいるということです。

体色の発色のしくみには、2つあります。ひとつは魚の表皮にある色素胞という細胞です。この細胞は、内部に色のついた色素顆粒を含んでいて、赤色の色素顆粒を持った色素細胞を赤色色素胞と言います。同様に青色の色素顆粒をもつ青色色素胞、他に黒色色素胞、黄色色素などが種々あります。

Photo_6
これが黒色色素細胞(上部)と青色色素胞(下部)の写真です。

ごく簡単に言うと、表皮の中に、様々な色を持った細胞があって、それぞれの細胞が大きなったり小さくなったりすることができます。例えば、赤色色素胞が大きくなって表皮全体に広がると体色が赤くなります。それが小さくなると赤色体色が消えます。

私達の皮膚が日焼けした時、皮膚が黒くなるのは、私達の皮膚にも黒色色素胞があるからです。残念ながら青色色素胞や黄色色素胞は無いので青くなったり黄色になったりできないのです。

映画のアバタの人達は、おそらく青色色素胞を持っているのでしょうね?

もうひとつの体色発色のしくみに「構造色」という方法があります。これは少し難しいですが、簡単に説明すると、太陽光線や蛍光灯の光には、虹の色のように紫青緑黄橙赤のすべての色が混合されて含まれています。

構造色とは、それ自身が色を持っているのではなくて、太陽光や蛍光灯光が表皮に当たると、ある色の光だけを反射し、他の色の光を吸収してしまうしくみです。

下の写真の蝶の羽の青色は、太陽光から青以外の光を吸収してしまい、青色の光だけ反射して、その青色光が私達の眼に入って青く見えるのです。

Photo_7
最後に、不思議な話をします。実は、この世の中には、現実には色は存在しないのです。そんなバカなと思うかも知れませんが、これは事実です。

現実の世界には、あるのは明るいか暗いかの灰色だけの世界です。光には、様々な種類がありますが、それらには色が付いていないのです。

ある種類の光が、私達の眼の網膜に入って、それを感知したら、私達の脳が勝手に色を付けるのです。色は、脳の中で作られてた架空の色なのです。

私が見ている青色(脳が作り出した青色)と皆さんが見ている青色は微妙に違うのです。他の色も同じで別の種類の光が眼に入ったときには、それを赤色として脳が作り出すのです。だから、好きな色が人によって異なるのです。ピンク色が好きな人は、その人の頭中でとてもきれいなピンク色が作られているのです。

映画や漫画の中で、出合い頭に2人の人間がぶつかったとき、心と体が互いに入れ替わるという話がありますが、もしそれが可能であれば、他の人の体に入って見た景色は、自分が今まで見てきた景色とは違った色世界を見ることになり相当驚きますよ。

マトリックスという映画がありましたが、自分が住んでいた世界が、現実ではなくコンピューターが作り出した架空の世界であったというストーリーでしたが、色の世界は、それと同じで脳が作り出した架空の世界です。

動物と人間では、脳が当然違いますので、色世界も必然的に違ってきます。イヌやネコが見ている色と私達が見ている色は、かなり違ってます。

信号機の青色は、同じ人間なのに、青色に見える人、緑色に見える人がいます。はたしてイヌやネコにとって何色に見えるのでしょうか? イヌやネコに対して、信号の青は進め、赤は止まれと教えようとしても、それは無理なことですよ。

ここで誤解しないで欲しいのですが、イヌやネコも赤と青はちゃんと識別はできますよ。ただし人間とは違った色世界で識別しています。

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