2011年10月17日
石田です。
今日は、先週と今週の授業で教えていますプランクトンについて紹介します。
プランクトンと言えば、皆さんは、顕微鏡でしか見えないとても小さな生物を想像すると思いますが、下の写真のような巨大なクラゲでもプランクトンです。
ちなみに、このクラゲはエチゼンクラゲと言い傘の直径が 2 mで、体重が200 kgを超えるものもいます。
このように人間よりも大きいクラゲでもプランクトンになります。正確には、エチゼンクラゲはメガプランクトンと呼ばれます。サイズによって分類されていて、顕微鏡で見る小さなプランクトンは、ナノプランクトンやミクロプランクトンと呼ばれています。
では、プランクトンとは何でしょう?
それは、「浮遊生物」とも呼ばれ、泳ぐ力が弱く、海流に流されるがままに、浮遊しながら漂流する生物達をプランクトンと言います。
時速 60kmの高速で泳ぐマグロでも、稚魚のときのマグロは遊泳力が少ないためプランクトンです。もちろん成長すれば自由に遊泳できるので、成魚のマグロはネクトン(遊泳生物)と呼ばれます。
水泳が苦手で、浮き輪につかまっていなくてはならない人や動物は、プランクトンと言っても良いかもね(?)。
下の写真は、血球計算板と言い、血液検査のとき赤血球数を数える道具です。この計算板を顕微鏡で見ると下写真の右側のような格子模様が見えます。この格子のマス目の中にある赤血球を上から順番に数えていきます。右写真のブツブツのものが赤血球です。
いきなり血液検査の話になり、どうしたんだと思われたでしょうね。
実は、プランクトンの大きさと赤血球の大きさが、ほぼ同じですので、血球計算板を使ってプランクトン数も調べることができるのです。赤血球と同じ方法でプランクトンの数を数えていきます。
ちなみに、先週の授業のときに調べたプランクトン数は1,350,000 細胞/mm3でした。この数字が、多いのか少ないのか良く分からないと思いますが、ものすごい数ですよ。
計算してみると、1ccの水の中に135億ものプランクトンがいることになります。普段、肉眼で見ることができないから、気にしていませんが、わずか1滴の池の水の中に、何百億の生物が生きていることは、すごいことですよね。
この大量のプランクトンが、魚などの餌となり、食物連鎖が行われ、水中の生態系を作っていることを知って頂いたところで、お後がよろしようで。