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2020年11月27日

黒潮生物実習

近藤です。

11月17日~20日にかけて高知県大月町にある公益財団法人黒潮生物研究所において毎年恒例の臨海実習を行いました。早いもので今年で6年目となります。

対象は海洋生物保護専攻の2年生です。本実習を通じて学生は黒潮流域における生物相の特徴や生物の生活に与える黒潮の影響などを学ぶとともに、そこに生息する水生動物を用いて分類や同定(種類を特定すること)におけるプロセスを体験しました。そしてこれらについて説明・実践できるようになることを本実習の到達目標としました。

「公益財団法人黒潮生物研究所」は、黒潮が作り出す環境とそこにすむ生物の関わりを明らかにするため、黒潮流域における環境と生物に関する幅広い情報の収集、整理、発信を行うことを目的として、平成12年4月に設立されました(同研究所HPより)。現在5名の研究者が常勤しており、サンゴ類の生態、繁殖、増殖、食害、クラゲや魚類の分類や生態に関する研究が行われています。最近では、いおワールドかごしま水族館における新種のエイ(モノノケトンガリサカタザメ)の発見でも話題になりました。新種記載したのは同研究所の研究員らです。


さて、前置きが長くなりましたが、学生は11月16日の夜に大阪を出発する高速バスに乗り現地に到着しました。大月町は高知県の南西端にあり、大阪からは車で休憩などを含めると8時間以上かかります。


1日目は最初に目崎所長より研究所の説明がありました。その後、上述の新種のエイを記載した研究員から魚類の分布や分散等に関する講義を受けました。

午後はリニューアルされたばかりの足摺海洋館(土佐清水市)を見学しました。黒潮由来の生物が多く飼育されているとともに、深海魚の標本展示も充実していました。飼育員の案内でバックヤードの見学もさせていただきました。


2日目はダイビングの聖地・柏島でスキューバダイビングを行い、サンゴの研究者である目崎所長より、サンゴの種類や分布について学びました。水中にはサンゴ類が多く水族館のような世界が広がっていました。水中写真は、目崎所長によって撮影されました。


3日目は早朝より釣りによる魚類採集を行いました。計画では研究所の調査船から採集を行う予定でしたが、風が強く波が高かったため陸からの釣りに変更しました。午後は採集された魚の同定を行いました。魚は研究所の標本になりました。


4日目はサンゴの食害に関する講義からはじまり、ソフトコーラルの分類形質である骨片の標本づくりやその観察を行いました。

午後はクラゲの分類や生態に関する講義を受けた後に、実際に海に出てクラゲを採集しその観察を行いました。実はクラゲの多くは肉眼では観察しづらい小型種で、観察には顕微鏡が使用されました。


これですべてのプログラムは終了です。最後は高知のおいしいものの代表であるカツオのたたきなどをみんなで堪能してから、高速バスに乗りました。


とても充実した4日間が終わりました。

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