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2020年8月7日

ウミガメ調査実習

近藤です。

7月に和歌山県みなべ町において海洋生物保護専攻の学生を対象にウミガメ調査実習を行いました。

本実習の対象動物であるアカウミガメは世界の大洋に広く分布しています。アメリカ東海岸、ブラジル、南アフリカ、ギリシャ、オマーン、日本、およびオーストラリア東岸などに主な産卵場があります。 北太平洋における繁殖地は日本だけであり、本州、四国、九州、沖縄の海岸線に産卵場が認められています。和歌山県みなべ町には本州最大規模の産卵場があります。

日本におけるアカウミガメの上陸・産卵数は近年減少傾向を示しています。原因の一つとして人間活動の影響が考えられています。環境省のレッドリストにおいてアカウミガメは絶滅危惧IB類(A類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの)に分類されています。

実習はNPO法人日本ウミガメ協議会の指導のもと実施しました。アカウミガメは夜に産卵のために海岸に上陸します。学生は夜間に海岸を歩き上陸や産卵の様子を観察しました。極力ライトを使用せず観察を行ったため、ここでお見せできる写真は限られています。

上の写真はアカウミガメの産卵の様子です。ウミガメの後方より弱い灯りを用いて観察しました。アカウミガメは1回に100個以上の卵を産みます。実際の産卵ではこのように卵は露出しません。卵を観察しやすいように一時的に表面の砂を除去しています。

上の写真はアカウミガメの背甲に発信機を装着している様子です。ウミガメに苦痛を与えないためには作業を速やかに行う必要があり、ここでは普段はほとんど使用しないライトを使っています。体のサイズによって利用海域が異なる可能性があるようです。

アカウミガメの卵はタヌキなどによって捕食されことがあります。そのため卵の上に食害防止用の柵を設置する作業を日中に行います。上の写真は卵の性質について解説を受けているところで、下の写真は柵を設置している様子です。


和歌山県みなべ町においては、今年は例年と比べてアカウミガメの上陸・産卵数が少ないと聞きましたが、学生は貴重な体験をさせていただきました。


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