2017年7月14日
How are you doing? みなさんお元気ですか?
海洋系スタッフの村瀬です。
これまでのブログでは「イルカと人との関係」を軸に日々の遊びやトレーニング、イルカのAmazingな頭脳などなどについてお伝えしてきました。
(まだ第1弾〜6弾を見ていないという方は、ぜひ目を通してみてください)
第1弾https://www.osaka-eco.ac.jp/contents/ecobiyori/2017/05/23/7914
第2弾https://www.osaka-eco.ac.jp/contents/ecobiyori/2017/06/05/8254
第3弾https://www.osaka-eco.ac.jp/contents/ecobiyori/2017/06/10/8503
第4弾https://www.osaka-eco.ac.jp/contents/ecobiyori/2017/06/20/8670
第5弾https://www.osaka-eco.ac.jp/contents/ecobiyori/2017/06/29/8829
第6弾https://www.osaka-eco.ac.jp/contents/ecobiyori/2017/07/04/8913
今回は、動物の健康管理についてお話しします。
56歳の愛しいMollyがこんなに張り切ってジャンプ出来るのも、健康管理が日々のものだけでなく未来のものでもあるからです。
https://www.youtube.com/watch?v=CJcWng59MRw&feature=youtu.be
これ、56歳のジャンプです!! Amazing!!!
まず、イルカたちのお食事。当たり前ですが、全てRestaurant quality!!
イルカ1頭1頭「量」ではなく「摂取カロリー」が計算され、与える食事内容は1頭ずつ1日分かっちりスケジュールされています。
1枚目の画像のMと書かれたケースは、ビタミンや個体により薬や漢方の粉などが入っています。
他にはこんな怪しいゼリーも…。
食事内容については詳しく触れると長くなるので、帰国後、授業の中で在校生に教えま〜す!
ここまでは普通、当たり前と言えば当たり前のことを紹介しただけです。
次は「サプリメントを飲む」と「水を飲む」に注目です。
まず「サプリメントを飲む」について。
イルカにサプリメントを与える時、魚のお腹の中に詰めて魚ごと与えるって、ちょっと聞いたことがあると思います。
水族館ではごくごく当たり前の方法ですね。
でもこの方法だと、サプリを詰めた魚の消化時間もあるので、それらが解け始めるタイミングがベストではない可能性があるんです。
…てなわけで、この動画をご覧ください
https://www.youtube.com/watch?v=83BGIoUaaA4&feature=youtu.be
https://www.youtube.com/watch?v=gbwbkjbd8RQ&feature=youtu.be
どちらも3歳のおチビちゃんです。DRCのイルカたちはサプリをそのまま飲み込めるんですよ〜。
ちなみに、②の子はレスキューされたAtlantic Spotted Dolphin (Stenella frontalis)のMs. Summer。Adorable!!!
次に、「水を飲む」について。
野生のイルカは本来魚から必要な水分を補給しています。
「生きて行くのに必要最低限の水分」と考えると、飼育下のイルカは、魚を冷凍することで失われる分を補給すればOK。
多くの水族館でもイルカに水分を与えていると思います。
しかし、DRCのイルカたちはすっっっごい量の水を飲んでいます。
量は年齢や体の大きさなどにより違いますが、私の愛するMollyを始めとする「いいお年」のイルカたちは、1日に9L(3L×3回)の水を毎日飲んでます。
こちらをご覧ください。
動画が長いので3つに分けました。まず歯を清潔に保つデンタルスプレー。
https://www.youtube.com/watch?v=ETf17lbimTU&feature=youtu.be
次に口蓋垂(こうがいすい→のどちんこです)に気を付けながらチューブを挿入し、水を流し入れ、
https://www.youtube.com/watch?v=McuK_4yMglQ&feature=youtu.be
飲み終わったらチューブを出します。
https://www.youtube.com/watch?v=NIg5U-aWjXw&feature=youtu.be
そして褒めます。
ちなみに、チューブは複数のイルカとシェアしません。
カラーテープで目印をつけた27頭分のチューブがあります。
なぜこんな大量に水を与えるのか、超かいつまんで説明すると「水分補給」と「デトックス効果」。
若いイルカも少しずつ水を飲み始め、年々量を増やして行きます。
こういうのが未来を見据えた健康管理の一つなんですね。
これも詳しく触れると長くなるので、それは授業の中で…。
未来のための健康管理は、パートⅡもあるのでお楽しみに!