2014年3月31日
こんにちは! 教務部の清水です。
学生のみなさんは、桜が満開の春休みどのようにお過ごしですか?
私は、一昨日昨日と千葉県へ農場見学に行ってきました。
まず訪れたのは、多古町にある養豚農家(有)ジェリービーンズ」さん。
昨年度、私が受け持つ「ヒューマンアニマルボンド]の授業内で、特別講義の講師をして下さった麻布大学獣医学部の現役学生内山さんのご実家です。
千葉県下では「PED」という伝染性の豚の病気が発生したため、大事をとって農場への立ち入りが制限される中、建設中の豚舎を見学させていただきました。
豚たちの快適性と飼養効率との両方を考慮した最新の設備、各所に施されたきめ細かい工夫。
とかく、食に供される動物たちは、生産性を上げるためにその動物に対する福祉は軽視されていると思われがちですが、昨年度の内山さんのお話しだけでなくこうやって実際に豚舎を見学し、改めて説明を受けると、畜産業に真摯に取り組む生産者さんの下では「生産性の向上と動物福祉は矛盾しない」という考え方が現実であると納得できます。
見学後は、おいしい豚肉料理の数々をいただきながら、豚3頭からスタートし、一代で大規模な養豚農家を築いてこられたオーナーであるお父さんの養豚に対する熱い想いや、学生ながら跡取りとしての意識をしっかりと持ち命と食と養豚経営に対して真摯に勉強を続ける内山さんのお話を伺う機会を得ることができ増した。
翌日は、同じ千葉県の山武市にある肉牛農家「小林牧場」さんへの訪問です。
オーナーである小林さんご夫妻は、福島県飯館村のご出身。
元々は、飯館牛というブランド牛の育成をされていましたが、大震災に続く原発事故のあおりで全村避難となった飯館村から大変な決意のもと、100頭以上の牛や飼い犬飼い猫とともに移住してこられました。
言われなき風評被害やはっきりと見通しの立たない今後など、小林さんを取り巻く環境はまだまだ厳しいものでしょうが、愚痴をこぼさず前向きに明るく私たちに夢を語ってくださる小林さんにはこちらが励まされてしまいます。
ヒューマンアニマルボンドといえば、主に人と動物との絆、として家庭動物と人との関係ばかりを考えてしまいますが、動物に関わる職業に就く者として、それ以前に毎日食べ物を口にする日本の中に住む人として、私たちの命の糧となる動物たちのこと、私たちに安全で美味しい食肉を提供するために働いてくださっている生産者さんのことを学生の皆さんに正しく知ってもらわなくてはという気持ちが、今回の見学を通してますます強くなりました。
看護系の新1年生のみなさん、いっしょに勉強していきましょう