2013年9月28日
石田です。
水族館・アクアリスト専攻の授業にて磯生物調査に行ってきました。
場所は、大阪湾において僅かに残された自然海岸である長松自然海浜です。
ここは、大阪府と和歌山県の県境にあります。
写真を見てください。大阪湾なのに結構きれいな海なんですよ。
ゆえに磯生物も、まだ、多く生息しています。
この写真のように、カサゴやウニなどの磯生物がいます。他にもタコも生息しているし、サンゴ礁の代表的な魚であるチョウチョウウオの稚魚まで見ることがあります(黒潮に乗って時々入ってきます)。
ゴミや油の浮いた汚い大阪湾のイメージとは、かなり違いますね。
今日のブログで紹介したいのは、このような生物でなく、下の写真を見てもらいたいです。
道路から海岸へ降りて行く階段です。ここにあるコンクリートの壁に注目してもらいたいのです。
こんなところに何も生物がいないように見えますが、よく観察していただくと生物がいっぱい生息しているのですよ。
その生物はこれです。
コンクリートの壁に付着している白いブツブツに見えるものが、今日の主人公のタマキビガイという小さな巻貝です。
とても小さいので誰も気づきませんが、この貝が多数いるのですよ。
普通、貝は海の中にいますよね。しかし、この貝は、水の中が嫌いで、陸地で波しぶきがかかる場所(飛沫帯と言います)に生息しています。
このタマキビガイを水の中に入れると慌てて水から這い上がってきます。
皆さんがよく知っている貝で、同じように水中を嫌い、完全に陸地だけで生活している貝がいますが、なんという貝か知っていますか?
答えは、カタツムリでした。カタツムリやナメクジは、貝の仲間なんです。
コンクリート壁には、タマキビガイだけでなく、他の生物もいます。
上の写真がフジツボ(多数の孔が開いていますが、その1個ずつがフジツボ)で、下の写真がカメノテ(岩の隙間に多数ある白く、とがっているもの)です。
フジツボもカメノテも、甲殻類(エビやカニ)の仲間です。姿形はエビやカニと全然似ていませんので、カニと同じ仲間と言われても納得できないかもしれませんが、でも、食べたらカニの味がして美味しいですよ。
大阪湾にいるフジツボやカメノテは大きくならない種類ですので、食べるところがありませんが、大きくなる種類が生息している地域では、りっぱな食材なんです。
今日は、磯生物実習の話をしませんでしたので、最後に、学生達がちゃんと頑張って調査しているところの写真をお見せして、終わりにします。