2012年4月13日
石田です
今日は魚の体色の話です。
学校で飼育しているグッピーなどの熱帯魚には、下の写真のように体色のきれいな魚が多いですね。
このように美しくて私達を癒してくれますが、魚自身が仲間の魚を見た場合は、人間の眼で見た場合より、さらにきれいに見ているのです。
それは、眼の色覚のしくみが、人間と魚では異なるためです。
私達が色を見るときは、眼にある視細胞は赤色・青色・緑色の3色だけ感知しています。なんと黄色とかピンク色とか水色などの他の色は直接見ることはできないのです。それらの他の色は、赤・青・緑の3色を脳の中で3色のそれぞれの色を組み合わせて色イメージを作り出した仮想の色なのです。
テレビやパソコンのモニターの画面を近くで良く見てもらうと解かりますが、画面からは赤色・青色・緑色の3色しか出ていません。画面はRGBと言われますが、これは赤RedのR、緑GreenのG。青BlueのBのことです。
黄色などの色は、普通のテレビ画面からは出ていなくて、テレビを見ている人は、脳の中でRGBから合成して黄色を感じているのです。
それに対して魚の眼は、赤色・青色・緑色以外に紫外線の色(人間には見えないが紫の濃い色)を感知することができます。
魚の眼は、赤色・青色・緑色・紫外線の4色から様々な色を合成し、すごく艶やかな色を見ているのです。どんなカラフルな色の世界なのでしょうか?
したがって、魚同士でお互いの体色を見た時は、すごく艶やかな色を見ているのです。だから、魚の体色はきれいなのです。
また、紫外線が見えるということは、晴れの紫外線が多い日は、皮膚が日焼けしているのを見ることができ、そこから早く避難できることになります。
ちなみにイヌやネコは2色しか見ることができません。その2色から他の色を合成しても、かなり地味な色の世界になります。
水色の体色のイヌとかピンク色の体色のネコがいないのは、その色をきれいに見ることができないからです。