2011年9月11日
石田です。
前回のブログでは、奈良公園にいるシカのおもしろ行動を紹介したのですが、今回も懲りもせず動物達の不思議行動を紹介します。怒らずに、お付き合い下さい。
最初は、やはり何と言っても、奈良のシカの話です。暑い日は、木の枝が大きく張り出して日陰になっているところで、座り込み休息している姿をよく見ます。
ある日、枝が垂れ下がっていて、枝が地面に近い低い位置にある枝の下で、立派な角を持った1頭の雄ジカが寝ていました。そのシカが起きようとしたときに、立派な角が枝に絡まってしまい、頭を振りながら、もがいていました。かなりの時間、頭を振り回していましたが、なかなか枝から角がはずれずませんでした。
疲れたのか座り込んだところ、頭の位置が下がったので、簡単に角が枝からはずれました。それで安心し、再び立ち上がろうとした途端、予想した通りになり、また、枝にからんでしまいました。それで、しばらく頭を振り回して枝を揺さぶり、座り込んでは、はずれるということを何回も繰り返すことになりました。
いつまでも見ていないで、助けてあげろと言われそうですが、そのときは、なんとなく、そのまま見入ってしまいました。
しばらく見ていると、他のシカ達が集まってきて、薄情な私と違って助けてあげるのかと思いきや、なんと!、枝を揺さぶり続けたおかげで、いっぱい地面に落ちていた葉っぱを食べ始めたのでした。
葉っぱを食べているシカ達は、皆、下を向いて頭を下げています。その中で、例の雄ジカは、木の枝を振り回し続けています。
この光景は、頭を下げているシカ達に、シカの神主さんが、まるで、木の枝でお祓いをしているように見えました。
次の話は、何の意味もないですが、奈良のある会館の中で、ベンチに「せんとくん」が1人で座っているのを見ました。周囲には誰もいなくて撮影の様子でもなさそうですし、不思議でした。
最後の話は、イルカです。ちょっと前の話ですが、イルカ・セラピーの手伝いに行った時のことです。
そのときの私の担当は、自閉症の子供がイルカと触れ合いをしている場面をカメラ撮影する係りでした。その子の気が散らないように少し離れたところから望遠レンズで撮影していました。
私が撮影しているすぐ後ろにペン(生簀)があり、セラピーの邪魔にならないように、セラピーしているイルカ以外は、この小さなペンに5頭のイルカ達が閉じ込められていました。
いつも泳いでいる広いペンから追い出され、不満をあらわにしてグルグル泳ぎまわっているイルカ、退屈という感じで泳がず寝ているようにボーと浮いているイルカもいました。
セラピーの様子を撮影していると、私のすぐ後ろでジャンプして、水飛沫(しぶき)を私の背中にかけてくる悪いイルカがいます。振り向き、誰が犯人だ?とイルカ達を見ると、皆「俺ではないよ」という素振りをしてます。
犯人もわからず、仕方なく撮影を続けていると、またしても、水飛沫が。今度こそ犯人を見つけたると思い、1頭ずつ詳しく観察すると、ペンの端で寝たふりしているイルカの呼吸が変に荒く「プシュー」と音をたてて呼吸していて、何かあやしいと思いじっと見ていると、俺ではないと言わんばかりに眼を閉じ、寝たふり体勢に入りました。
そこで、撮影する振りをして、すぐに振り返ると、そいつがジャンプに向け泳ぎだそうとする瞬間でした。
そのときイルカと眼が合いました。イルカは顔面の表情を変える筋肉がないため笑う表情はできないはずなんですが、そのときは、どう考えても「ばれたぁ~?」という感じで、笑ってごまかそうとしている表情に見えてなりませんでした。
ところで、例の雄ジカは、その後どうしたかと言うと、奈良公園の係りの人が来て、鹿せんべいを口の前に差し出したら、頭を下げたまま前に出てきて、いとも簡単に脱出できました。さすが公園の人です、よくあることなんでしょうね。
皆さんも人生の中で、ハイレベルなことを目指して頑張っていても壁にぶつかりうまくいかないときは、上ばかり見ずに、一度下を見て、1段階下の元のレベルにもどり、冷静に周りを良く見るとよいかもしれませんよ。