2013年6月24日
石田です。
先日、水族館・アクアリスト専攻1年の授業にて淀川の調査実習を行いました。
梅雨時なので、空模様が心配でしたが、小雨に降られたものの何とか実施できました。
淀川と言うと、コンクリート堤防で囲まれた汚い川をイメージされる人も多いと思いますが、JR大阪駅からわずか5kmの距離のところに写真のような自然がまだ残されているのです。
もちろん、以前は自然破壊されていたところでしたが、淀川両側の河川敷に「わんど」という池をつくり、自然を再生したところなのです。
しかし、歩いている足元をよく見ると、土の下にコンクリートブロックが見えたり、人工的な敷石の道があるなど、再生されたという痕跡がよくわかります。
それでも自然は確実に復活しつつあり、ここでは野生生物を見ることができます。カルガモの親子やアオサギなどの鳥がいて、さらには、ここには天然記念物であるイタセンパラという希少な魚も僅かに生息しています。
この絶滅危惧種のイタセンパラが、生き残っているかを確認することを目的に、毎年ここの調査実習を行ってきました。
今までの調査では、数は少ないながらイタセンパラの稚魚を発見しましたが、今年の調査では、例年発見した池には、イタセンパラを見つけることができず、他の多くの池を探し回って、最後に、かろうじてイタセンパラと思われる稚魚を発見できました。生息数の減少を改めて知ることができた今年の実習でした。
発見した稚魚は、生き残ってくれることを願いながらすぐに池に戻しました。
イタセンパラを守る看板が立てられ保護活動がなされていますが、残念ながら減少の一途をたどっています。
絶滅しかけている原因のひとつが、下の写真の魚です。この魚は、外来生物であるブラックバスの稚魚です。この魚が成魚になるとイタセンパラなどの在来種を皆食べてしまいます。
ブラックバスがこれほど多く繁殖していては、イタセンパラの将来が危惧されます。
この日は、淀川を管理されている専門調査員の方も来られて調査と駆除活動をされていまし
淀川には、ブラックバス以外にもミシシッピーアカミミガメ、ヌートリア、ブルーギル、タイリクバラタナゴなどの外来生物が多く居て、昔から生息していた在来生物にとって生息しにくい環境になっています。
いずれの外来種も人間が知らずに(知りながらの場合もある)持ち込んだのです。私達人間は、在来生物を守る責任があることを実習に参加した学生達が感じ取ってくれたらならば、今回の実習の目標を達成できたと思います。
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