2014年12月11日
石田です。
今回も前回のブログに続いて、タコ・イカの不思議な能力の話です。
まずは、タコの吸盤に注目です。
タコの吸盤も私達がよく使っているゴム製の吸盤と同じしくみで、物体に吸着します。
吸盤の内側の窪んでいるところの空気や水を追い出し、中を真空にすることによって吸着します。
ただし、私達が使っている吸盤は、吸着面が平らな平面にしか付くことができません。でこぼこな面では全く吸着しませんよね。
ところが、タコの吸盤はデコボコでも吸着させることができるのです。
そのしくみは、下の写真を見てください。
タコの吸盤の内側の皮膚の部分を顕微鏡で見てますと、とても小さな紐のような突起が多数あり、さらに、その突起の表面に本当に小さな吸盤がたくさんあります。
物体の表面がデコボコでも、その窪みに紐状突起がうまく入り込み、その小さな吸盤で吸着するのです。
ミクロの世界で吸着しているのですよ。タコはこれを使って大きな岩などでも吸着して引き寄せることができます。
次に、もうひとつの不思議能力は、イカ・タコの心臓の話しです。
イカやタコは、なんと心臓が3個もあるのです。
正確に言うと、本来の心臓は私達と同じで1個ですが、2個ある鰓(えら)の付け根にそれぞれ鰓に血液を送るための鰓心臓が付いています。というわけで、合計で3個の心臓になります。
タコやイカは、貝の仲間で、貝が進化してタコ・イカになったのです。
貝は海底であまり移動せずに生活してます。
つまり、運動量が少ないので、酸素とそれを運搬する血液循環は、さほど必要としないのです。
ところが泳ぐようになったタコ・イカは、多量の血液循環が必要となり、貝だった頃の心臓では能力不足になったのですね。
そこで心臓を3個にしたのです。
トビイカというイカは知っていますか?
トビウオみたいにジャンプして飛ぶことができるイカです。
飛ぶためには、かなり高速で泳ぎ水中からジャンプしなくてはならないですよね。
これも、心臓が3個あるからこそ激しい運動の高速遊泳が可能なになったのですよ。
さらに、このイカは足に膜付いていてムササビのように膜を広げて羽のように使っています。
世の中には不思議な動物がいるのですよね。