Professional workplace

発見探検プロの仕事場〜卒業生からのことば〜水族館飼育スタッフ
@桂浜水族館

ローカルならではの距離感で
生き物の自然な姿を伝えたい

メッセージ

[取材協力] 桂浜水族館
高知県高知市浦戸778

お客様の喜ぶ声が聞こえる距離感

高知県の名勝「桂浜」の浜辺にあるローカル色豊かな桂浜水族館。公式キャラクターの「おとどちゃん」がつぶやくTwitter投稿は、生き物はもちろん、飼育員の日常も見られると注目を集め、生き物だけではなく飼育員のファンも全国からたくさん訪れます。「〇〇ちゃん、今日はご機嫌やね」「〇〇君、こんにちは!」と、海獣や飼育員に名前で呼びかけるお客様も多く、生き物・飼育員・お客様の距離の近さをうかがわせます。入社3年目の高木さんも「動物を見て『かわいい!』と喜んでいる声が間近で聞けるのはすごく幸せ。お客様が気軽に声をかけてくれたり、個体にファンが付いている様子がわかるのも嬉しい瞬間です」と笑顔を見せます。

日々のトレーニングがサプライズ演出に

屋外施設が大半を占める桂浜水族館では、これまでアシカやトドのショーも人気でした。しかし、2022年6月にショーイベントの廃止を決定。その理由について、海獣類を担当する丸野さんはこう語ります。「コロナの影響でショーを中止したところ、時間に余裕ができて、飼育員たちからトレーニングについていろいろなアイデアが出てきたんです。新しいトレーニングは海獣たちの刺激にもなりましたし、何より飼育員と動物が一緒に遊ぶ時間が増えた。この環境の方が動物にとって幸せだと感じたので、ショーは再開しないことにしました」。
生き物たちの様子を見て始めるトレーニングは、日によって開始時間が異なります。それが、「いつ始まるのかわからない」サプライズ演出となり、お客様からは逆に大好評。ショーのステージではなく、通路でトレーニングを行うこともあるため、「こんなに近くで見られるなんて!」という驚きを伝えるSNS投稿がぐっと増え、桂浜水族館の認知向上にもつながっています。

入社1年目の飼育員もチームの柱

桂浜水族館ではこのように、「生き物がより幸せに過ごすため」「水族館の魅力を伝えるため」の意見やアイデアを、飼育員からどんどんすくい上げます。新しいトレーニングも提案があればすかさず実践。うまくいかない場合も経験として評価されるので、挑戦することにやりがいがあるとのこと。魚類を担当する浦河さんは「飼育員1人ひとりを信頼し、個性や想いを受け止めてくれる場所。入社1年目の飼育員の意見が採用されることも珍しくなく、全員がチームの柱です」と胸をはります。
飼育員の人数が多くないこともあり、担当に関係なくあらゆる生き物の世話をできることも、この水族館の強みのひとつ。各々の動物との関係性が深まるにつれて、新しい一面を発見できるのもここならではの楽しみだとか。
いずれの卒業生も「好き」を仕事にする夢を叶えた上で、「まだまだ成長していきたい」と意気込みを語ってくれた姿が印象的でした。

レポート

  • ショーの代わりに通路で行うトレーニングは大迫力。
    めったにないほど間近で動物を見られるのでお客さんにも大好評。

  • 日々個体の健康状態をチェック。動物との関係性を築くための大切な時間でもあります。
    サインを出す際に、手ではなく顔を見てくれるようになった時は喜びを感じる瞬間。

  • 飼育員の名前が掲げられた水槽。展示の魅せ方は桂浜水族館ならではです。

  • 個体にはファンがつくこともしばしば。生まれた新しい命も、飼育員やお客様にあたたかく見守られながら成長していきます。

今回協力いただいた卒業生たち

  • 高木 さん

    水族館飼育スタッフ
  • 薮内 さん

    水族館飼育スタッフ
  • 丸野 さん

    水族館飼育スタッフ
  • 浦河 さん

    水族館飼育スタッフ

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