発見探検プロの仕事場〜卒業生からのことば〜水族館飼育スタッフ@海遊館
生き物を身近にする仕事。
生命の素晴らしさや不思議さを伝えたい。
メッセージ
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[取材協力]海遊館
大阪市港区海岸通1-1-10
神谷さんの最初の仕事はジンベエザメの解説。現在は、カピバラの給餌解説を担当しています。
「給餌解説が好きです。以前は水槽の前でお客様にお話していましたが、今は動物の真横で解説する難しさや楽しさがあります」
餌をあげているときが一番楽しいというのはジンベエザメのいる太平洋水槽などを担当する鈴木さんも同意見。入社当初、水槽に上から網を落としてしまったことがある。「落としたものが大きかったから大事には至らなかったものの、もし落としたものが鍵などの小さなものだったら、魚がそれを食べて死ぬ可能性もあった。生き物の命をあずかっている以上、気は抜けない」と語ります。
宮川さんは「海の中は普段見られない場所なので、子どもの頃に水族館で見てすごく感動しました。生き物をもっと身近な存在にしていきたい。でも、好きなだけではダメで、動物の生態を伝えていく側の自覚が必要です」
川畑さんは担当するまで全く知らなかったクラゲの不思議な魅力にとりつかれ、今では繁殖を成功させたい思いがあります。芳井さんも新たに担当することになったカワウソのトレーニングが楽しいと言います。
小林さんはダイビングのインストラクターなどを経験して海遊館へ。「どうしても水族館で働きたくて、チャンスをつかむまではと思って、努力していました」 夢は諦めず努力すれば叶う、ということを実践したひとりです。
レポート
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チームごとの朝のミーティングでは、メンバーから報告を聞いて館全体の状況を把握します。
朝一番に水槽の見回りや担当生物の調子などをチェックします。
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ミーティング後は調餌室で餌をつくり、見回りや掃除なども行いながら、その日担当している生き物たちに朝の給餌をします。
それが終わると、午後の餌も準備。
お客さまへ解説をすることもあります。
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潜水を担当する日は適度に休憩を挟みつつ、基本的に一日中潜水作業をします。“たこ”と呼ばれる道具で身体を固定させて、擬岩のコケやアクリルについたコケを布巾で掃除します。また、月2~3回ほど、バキュームと呼ばれる大きな掃除機で水槽の底にたまったフンや食べかすを掃除します。
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展示水槽やバックヤードの水槽を掃除します。
クラゲは柔らかい生物のため、丁寧に細かく掃除しないと傷つけてしまいます。
「クラゲの生態はまだ知られていないことが多く、飼育や繁殖が難しい種類もあります。いつか難しい繁殖を成功させてみたいです」
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ジンベエザメのいる太平洋水槽での給餌は柄杓を使う時と係員が水面で直接餌を与える時があります。「日によって違うのですが、係員が水面で餌をあげて、誘導トレーニングを行っている間に獣医が採血をすることもあります。これは世界で海遊館がはじめて成功した方法なんですよ」
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カピバラの給餌解説。
「ガラスの向こうのお客様にわかりやすく、楽しんでもらえるよう、動物の隣で解説します。話しながら餌の食べ方、食欲を観察します」
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北極圏の寒さを体感できるスペースで、ワモンアザラシの給餌解説を行います。
「触られるのが苦手な生き物なので、身体を触る練習をします」。
怪我はしていないかなど健康管理のためのチェックも大事な時間。
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生物や施設、器具などのチェックを行い、日誌を記入して仕事が終わります。
今回協力いただいた卒業生たち
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川畑さん
魚類担当
水族館・アクアリスト専攻卒業 - 水族館の仕事の基本は掃除。学校にあった水槽の掃除方法を教わったのが今に役立っています。
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宮川さん
魚類担当
水族館・アクアリスト専攻卒業 - 将来は地元大阪に生息する生き物を海遊館で紹介したい。これからも勉強していきたいです。
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芳井さん
魚類担当
水族館・アクアリスト専攻 - 趣味の釣りが魚の種類を覚えるのに役立った上、いろんな担当の先輩方とも親しくなれました。
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