2017年5月5日
石田です。
5月になり木々の若葉が萌え、新緑のきれいな季節になりました。
若葉が生えてくるように奈良公園のシカ達も、この時期になると、角が根元から抜け落ちて、新しい角が生えてきます。
この写真の角は、皆さんが知っているシカの角とは、どこかが違いますよね。角を拡大したのが次の写真です。
硬い角でなく、やわらかく毛が生えた皮膚で角が覆われています。
これを袋角(ふくろつの)と呼びます。
袋角の血管からカルシウムを受け取りながら、角は大きく生長していきます。秋の繁殖シーズンを迎えると袋角の皮膚は剥がれ落ち、袋の中に蓄積したカルシウムでできた硬い角がむき出しになり、角の完成です。
ところで、いつものようにシカ達の行動を観察していますと、鹿せんべいの店の前でシカ達が、「せんべいを買って下さいよ」と言わんばかりのお客さんの呼び込みをしていました。
努力の甲斐があり、せんべいをもらっていましたね。
連休の最中でしたので、東大寺大仏殿は観光客が多過ぎて、すごかったです。
もし、奈良公園に来ることがありましたら、お薦めの観光ポイントは「正倉院」です。今は、宝物が他の場所に収められていて、建物だけですが、歴史の教科書に載っていたあの正倉院です。
場所は大仏殿の裏手にあるのですが、観光案内の地図にも正倉院の場所が示されていないので、皆知らなくて、誰もいません。とても静かに見ることができます。
天平の時代の人も、ここでシカ達にせんべいをあげていたのだろうかと想像しながら見るのも楽しいですよ。