先生×卒業生・在校生座談会

小松先生×動物看護師・ペットトリマー・ドッグトレーナーとして活躍中の卒業生

業界のプロになるために必要なのは動物にも人にも「思いやり」を持つこと。

「好き」を追い求め、憧れの動物業界へ就職を果たした卒業生たち。そんな彼らを在校中からずっと見守ってきた小松和弘先生と一緒に、現場での仕事のこと、学校での思い出、そして業界を目指すために必要なことは何かを、語り合いました。

プロとして飼い主さんの要望にできる限り応えたい

「思いやり」を持ち続けること。そして、「好き」という気持ちをあきらめないでほしい。

福岡ECO副校長 小松 和弘先生

小松
まずは今どのようなお仕事されているのか、教えてもらえますか?
野田
私はペットトリマーとして働いています。勤務しているお店はトリミングをするサロンをはじめ、ペットショップ、ペットホテルも兼ねています。しつけなどのトレーニングはしていないのですが、実はお客様からの要望が多いので、今日は動物看護師やドッグトレーナーの方にアドバイスをいただこうと楽しみにしてきました。
小松
飼い主さんの要望には応えたい気持ちはあるけれど、できるかできないかの判断というのも必要。プロだけに無責任なことはできませんよね。
野田
はい。やはり難しい性格のワンちゃんだと対応が不安なこともあります。
野田
江渡さんはどうですか?
江渡
私は動物看護師として、受付から診療の補助、手術の助手などを行っています。私が働く動物病院もトリミングができるサロンやペットホテルも併設していて、いろんな動物たちが来院するので、慣れていない動物の場合には慎重になります。
小松
江渡さんの勤務する動物病院はどんな動物が来るのですか?
江渡
犬、猫、ハムスターやうさぎなどの小動物から鳥まで、爬虫類以外のいろんな動物が来院します。「小動物や鳥の爪切りをしてほしい」と依頼があるのですが、さすがに鳥の爪切りまでは学校でもやったことがなかったので、最初は不安でした。
小松
そういう時、誰が教えてくれるのですか?
江渡
現場では、先輩たちの様子を見て自分で覚えるしかありませんでした。
小松
戸田さんのお仕事はどうでしょう?
戸田
基本的にはワンちゃんを飼い主さんから一定期間預かってトレーニングをします。飼い主さんが不安にならないようトレーニングの様子などを、Webで配信したりもしています。
小松
その日の様子をすぐに見ることができたら、飼い主さんも安心しますよね。報告書なも書いたりもするの?
戸田
その日あったことなど全部書いて報告します。飼い主さんからもワンちゃんのお家での様子を書いてもらって情報交換しています。毎日のことなので大変ですが、なるべく丁寧に書くようにしています。
野田
私のお店では、トリミングをしたワンちゃんの写真をブログに載せています。いつも同じ内容にならないように、ワンちゃんたちの細かいところまで書くようにしています。
小松
学校では飼い主さんとのコミュニケーションには重点を置いていますが、報告書やブログというのは現場ならではのアプローチですね。これからの時代に必要なコミュニケーションなのかもしれません。
江渡
私の動物病院でもアンケートなどで、モバイルを活用しています。新しく来院された方にアンケートをお願いするのですが「受付の方の電話対応がよかった」と書いていただいたことがあって、すごく嬉しかったですね。
学校で学ぶ基礎科目は常識動物業界で働くための基本です
野田
私、実はドッグトレーナーの方にお聞きしたいことがあるんですが。「うちの子が言うこと聞かないの」というワンちゃんが来たときにどう対処してよいかわからないことがあります。トレーニングはどのようにされているのですか?
戸田
まずカウンセリングをして、問題行動などをお聞きします。宿泊する場合も含めて最低でも3ヵ月はトレーニングしますね。反抗する時期もあるので、様子をみながらゆっくり時間をかけます。
野田
反抗期があるんですね!毎回来るワンちゃんなのに、なんで今回はわがままだったのかな?という時に、飼い主さんに、どうお伝えしてよいのかわからなくて困ったことがありました。

東福岡たぬま動物病院 江渡さん

動物看護師専攻卒
動物看護師
東福岡たぬま動物病院 江渡さん
ペットサロンやホテルも併設している病院なので、常連の方も多くいらっしゃいます。だからこそ信頼関係をいかに築くかが大切。学生時代から部活動やイベントを通して、いろんな人と出会い、コミュニケーションをとることを自然と学べたことが、今の仕事にも生かされていると思います。
動物看護師専攻について詳しく
江渡
実は犬種によっても違ってきます。私の動物病院でも、最初の診療ではそのワンちゃんが今どういう状態なのかを、しっかり見るようにしています。
小松
そういう意味で、動物たちの生態や行動について学ぶことは、働く上では基本中の基本だと思います。
江渡
犬たちが喜んでいるのか、怒っているのか、そういう状態を知ることも行動学につながります。怒っている時はむやみに近づけません。
戸田
行動学や病気などの基本的なことを知っておくことは重要ですよね。もちろんドッグトレーナーも幅広い知識があったほうがいい。学校では入学専攻以外の授業、たとえば私ならトリミングの授業なども受けることができましたが、将来を考えて専門外でも幅広く学んでおいたほうがいいと感じます。
野田
「コミュニケーションスキルアップ※1」や「プレゼンテーション※2」の授業は、もともと社会での実践につながると感じていましたが、仕事をはじめてからその重要性をより痛感しました。現場はいわば応用の連続。飼い主さんから教えてもらうことも多いです。
小松
社会に出れば毎日が試験のようなもの。それに備えるためにも、学校で学ぶことに無駄はないのです。学んだことをもとに現場でいかに経験を積み重ねていくか、だと思います。
飼い主さんから信頼を得るにはまずは知識、そして人柄

PET STUDIO 101 久留米店 野田さん

ペットトリマー専攻卒
ペットトリマー
PET STUDIO 101 久留米店 勤務 野田さん
子どもの時から犬が大好きで、犬に携わる仕事がしたいと思っていました。シャンプーをして綺麗になる様子をみていて、ペットトリマーになりたいと思いました。やはり動物の仕事も『好き』は大切。決して今の自分に満足せず、『こうなりたい』という向上心をもって頑張っています。
ペットトリマー専攻について詳しく
小松
飼い主さんとの信頼関係を築くために、どんな努力をしていますか?
戸田
最近はインターネットなどで調べて、知識を持たれている飼い主さんが多いです。そういう方にも納得していただいてトレーニングを行うには、自分たちも努力しないといけない時代になっていると思います。
野田
私もそんな飼い主さんに納得してもらうにはどう伝えるべきなのかと考えています。「実は…」とか、実感がある言葉が大切。「うちの子の場合は…」と話すと納得してくれる場合もあります。
江渡
やはり自信をもっていないと、受け答えが曖昧になってしまいますよね。そして、頭ごなしでなく「こういう例もあるんですよ…」とオブラートに包んだ表現も大切だと思います。
戸田
なかなか打ち解けることができない飼い主さんとはどうしていますか?
野田
私の場合、ワンちゃんがなついてくれたら、飼い主さんの気持ちも徐々に変わって、信頼していただけるような感じがします。
戸田
確かに!ワンちゃんがなついてくれると違いますね。飼い主さんがお迎えに来て駆け寄ろうとする時に、「待て!」の指示に従ってワンちゃんが立ち止まると、「すごい!」って飼主さんが感動してくれます。目に見えた成果が増えていくことで信頼も増してくるし、こちらのことも理解してもらえるようになります。
江渡
動物病院にはワンちゃんのお薬を取りに来るだけや、体重測定のためだけに訪れる方もいます。「体重減りましたね、よかったですね!」と何気ない会話を大切にするうちに、「これからもよろしくね!」と常連になってくださった方もいらっしゃいました。
小松
やはりこの人が言ってくれるなら…という人柄が大切なのかもしれません。誠実さが大事ですね。
業界研修、クラブ活動、イベント…福岡ECOは学べる場がたくさん
小松
今現場で働くうえで、福岡ECOで学んだ良さを感じたことがありますか?
野田
インターンシップ(業界研修)制度が充実していることですね。どんなペットショップが自分に合っているのか、この仕事が自分に向いているのか、私は複数のペットショップでのインターンシップを経験したことで自分の進路が見えたと思います。
江渡
私の場合、インターンシップは2つの動物病院で経験し、幸いその研修で就職先を見つけることができました。
小松
学生時代に現場の経験を積んでおくことは一つの自信になると思いますし、将来のことを考えるヒントになると思います。
戸田
たくさんの人や犬とふれあうことができることが良かったです。やはり、ふれあいを通してでないと学べないことがあります。ワンちゃんの個性を感じることなどは特にそうですね。
江渡
私はクラブ活動で「WAN WANクラブ」に所属していました。いろいろな犬とふれあえるし、担当犬制度でより犬と深く関われたことが今役に立っています。そしてクラブ活動を通じて、仲間やいろんな人と関わったおかげでコミュニケーション力がつくだけではなく、仲良くなった先輩が現場でも先輩だったりと、今の働きやすい環境にもつながっています。
小松
学生時代にイベントやクラブ活動に参加して、授業以外でも動物たちに触れる機会を増やすことはいいですね。普段から公園でワンちゃんに声をかけるだけでもいい。そういう意識をもつことが、将来に役立っていくと思います。
動物のために、人のために…その気持ちが夢への入口

Dog Story Bowwow 戸田さん

ドッグトレーナー専攻卒
ドッグトレーナー
Dog Story Bowwow 勤務 戸田さん
高校の頃からドッグトレーナーになりたいと思って、学校見学に来てすぐに福岡ECOに決めました。設備が充実しているのはもちろん、ドッグトレーニングの本場である海外の講師の方からも学べるのが魅力でした。将来は独立して、もっと飼い主さんとワンちゃんの両方が幸せになるお手伝いをしたいと思います。
ドッグトレーナー専攻について詳しく
小松
皆さんは、高校生の頃に思い描いていた夢を実現したわけですが、今後の目標を教えてもらえますか?
野田
ペットトリマーというだけでなく、しつけや健康もトータルケアできるプロになりたいと思っています。
戸田
まずは会社が大きくなるのに貢献したい。そして将来は独立して、飼い主さんとワンちゃんの両方が幸せになるお手伝いができればと思います。
江渡
飼い主さんとの信頼の積み重ねを大切にしたいですね。「この人なら安心できる」という動物看護師になりたいと思います。
小松
ぜひ更に高いところを目指して頑張ってほしいですね。最後に、動物業界を目指す皆さんにメッセージをお願いします。
戸田
「人のための仕事」に喜びを感じてほしいですね。「自分のための仕事」は嫌なことがあれば、つい逃げてしまいたいこともあるけれど、誰かのためになら逃げていられない。あと、何事にも興味をもって追求していく姿勢も大事だと思います。
野田
そうですね、そのためにも向上心を忘れないでほしい。常にこうありたい、こうなりたいという気持ちが大切だと思います。ペットトリマーといえば華やかなイメージですが、辛いことだってあります。でも「好き」なら大丈夫。その「好き」を仕事にしてほしいです。
江渡
動物業界で働くには、動物だけでなく飼い主さんや同じ職場の方とのコミュニケーションをとることも大切です。そのためにも相手のことを考えられる「思いやり」が大切。高校生の時から、いろんな行事に参加して、たくさんの人と接することを意識してほしいです。
小松
そうですね、動物にも飼い主さんにも、「思いやり」が大切だと思います。このワンちゃんのために、この飼い主さんのために「してあげたい」という思いを持ち続けてほしいですね。「好き」という気持ちを大事に、そしてあきらめなければきっと夢は叶うと思います。

※1 良識のある社会人になるために必要なコミュニケーション力を身につけ、就職活動をスムーズに行うことができる力を養う授業。
※2 人前で話ができるように、話し方や自己表現力を養う授業。